「悪意」の源流 小保方博士と理研の迷宮 [メモ]
*なんといっても大きなカネがからむと、どんどん歪んでいくということか。
巨大な「科学技術」の迷宮
・基礎研究の中心地は、政官財と学界の思惑が絡み合いながら、膨張を続けている
特定国立研究開発法人の法案提出期限
・高給を払って国内外から優秀な研究者を集めることが可能になるなど、メリットは大きい
日本の科学技術の根幹に対する疑念
科学技術の世界は、高度な最先端研究が進み、部外者が立ち入れない「聖域」に
・京の維持費、年100億円 (現在:世界4位)
1000億円を超える投資に見合う具体的な成功事例は見当たらない
■理研バブル
「計算速度世界一」や「STAP細胞論文」など、華々しい瞬間は報道陣にアピール
巨大研究所膨張の起点 1995年
- バブル崩壊と超円高で日本経済が苦境にあえいだ
- 極度の経済不振に陥っていた日本にとって、科学技術は「成長力を復活させる唯一の手段」に見えた 「科学技術基本法」
科技族の誕生
「日本唯一の総合科学研究所」は、格好のカネの流し場所
東大対京大の利権争奪戦
「あれは井村さんのプロジェクトだった」
京大系人脈の「関西拠点構想」
2003年、理研は独立行政法人に
PI(研究責任者)になると、自分が研究する時間がなくなる
「カネは潤沢にあるから、実験やデータ作りは、部下や外部業者に丸投げする。そして論文という実績をピンハネする。要するにゼネコンと同じ」
雑誌の引用頻度を基に計算される「インパクト・ファクター」を重視
「ネイチャーとサイエンスには、捏造(ねつぞう)や改ざんではないかと疑いたくなるような論文が見られる。そのリスクを冒す価値があるということ」
そうした「賭け」に踏み出す危険性を、理研は構造的に抱え込んでいる
物理や化学、生命科学の基礎研究は、「産業化」までの距離が遠い
論文が評価を決する場
STAP細胞論文は、そうした理研をとりまく環境と歴史が作り出した構図の中で生まれた
組織をまとめるどころか、常に「期限」に追われ、強い遠心力が働いている
今回の事件は、小保方、笹井、若山の3人が、全員、少しずつ当事者意識が欠けていた
「研究をして新しい技術が出てくると、非常にお金がもうかる、だから大いに科学を奨励しなくちゃいけない、そういう見方が出てきたわけです。ほんとうに科学の価値のおきどころを理解しての上の優遇でありませんと、科学自体、歪んだ形になってしまう。その優遇にむくいる科学者の行動もまた正しくない方向に向っていくおそれがあるのです」
「科学者というのは何を考えているのかさっぱりわからないというふうにおっしゃるのも、無理ないことだと思うのです。少なくとも専門以外の人と話をする能力、そういうものをもたなくてはならない」(『科学者の自由な楽園』から抜粋) 朝永振一郎
「個人だけでなく、組織にもそれなりの責任がある。当然、理研の責任にもなりますよ。そうすると、文部科学省、ひいては日本の科学技術政策そのものの問題になってくる」
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